ドクトルニシニシのベイトリール メンテナンス講座~基本編~

皆さんはベイトタックルで海・川釣りした後、きちんとリールのメンテナンスしていますか?
リールのメンテナンスをしないで何度も釣りに行って…。
例えば海!
塩気がたっぷりなフィールドで釣りをしていたら、リールの回転が悪くなった!
スプールが回らない!ハンドルがゴリゴリする!
そんなトラブルに直面した方は、いっぱいいらっしゃるはず。

『メンテナンス』と聞くと、敷居が高く難しいものと考えていませんか?
今回は、誰でもできる超初級編の基本メンテナンスをご紹介します!
動画で確認したい方はこちらから!

水洗いの方法

1日の釣りが終わったら、まずは水洗い。
現場で洗うには、このようなスプレー式のミストで洗えば取り合えずOK!

波をいっぱい被った場合は、家でシャワーをかけて塩気をきっちり洗い流しましょう!
付着した塩分をしっかり洗い流すことが重要です。
放置すると、塩ガミや腐食の原因になります。

リールを水洗いする時の注意点
①簡易的にオイルを入れるだけのメンテナンスの場合、ドラグを締めてから洗う事
ドラグワッシャーの間に水気が入ると、ドラグの効きが悪くなります。
ただし、完全に分解メンテナンスをする場合は、ドラグを緩めてグルグルと回転部分の水気を全部落としましょう。
後でバラすので、気にせず洗ってしまおうというわけです。

②熱湯厳禁!水orぬるま湯を使う
熱湯を使うと、樹脂パーツにダメージが及ぶ可能性があります。
水洗いする際は、必ず水またはぬるま湯など低い温度で洗浄しましょう。

洗浄後はしっかり水気を切って、タオルで吹き上げ、その後風通しの多い場所で陰干ししてくださいね。
きっちりリールが乾いたら、いよいよメンテナンスです!

ベアリングのオイルアップ

まずベイトリールは、スプールの回転が命。
この回転を維持するために、ベアリングに注油をしてあげましょう。
今回は初級編ということで、工具を使わずにオイルを注せるようスプレー式のオイルを用意しました。

パーミングカップ側のベアリング

ベイトリールというのは”パーミングカップ”というものがあります。
ここを開くと、ここにベアリングがあります。

この『パーミングカップ側のベアリング』に、オイルを注していきます。
水や汚れがついている場合は、拭き取ってからオイルを注してくださいね。

オイルを指す場合は、以下2箇所を潤滑させるよう意識しましょう。
・真ん中にあるスプールのシャフトが通る部分(赤い部分)
・ベアリングの玉が入っている部分(黄色い部分)

外側のオイルは拭き取ってしまっても問題ありません。

注油量は少量でOKです。
多すぎたりブレーキ部分にオイルが回ると、トラブルに繋がる可能性もあります。
もし注し過ぎた場合は拭き取ってください。

ふたを閉めれば、パーミングカップ側のベアリングは完了です!

メカニカルブレーキのキャップに隠れたベアリング

メカニカルブレーキのキャップこれを外すと、ここにスプールの反対側のベアリングがあります。
この時も、ベアリングやキャップ内部の水分・汚れを拭き取ってからオイルを注していきましょう。

この飛び出ている棒がスプールのシャフトです。
その前にいるのがベアリング。

この部分を潤滑させたいので、ここにも水気がないことを確認したらオイルを注していきます。
ベタつかない程度のオイルを注油しますが、多すぎた場合は拭き取りましょう。
これで終わりです

メカニカルキャップの裏にはブレーキのカーボンの台座があります。
シャフトの先端の潤滑の為、ここにも少量(1滴)注油しましょう。

ハンドルノブの回転がゴリゴリするようになったというお話も聞きます
機種によってこのハンドルのノブの左右にもベアリングが入っています。
このベアリングが腐食すると巻き心地が悪くなります。
その場合はキャップを外さなければ注油できません。
このキャップを外す場合は専用工具が必要な場合があります。
専用工具を使うという作業はちょっと面倒で上級編に近づいていくので、以下の動画をご参照ください。

レベルワインダーのグリスアップ

レベルワインダーというものが存在します。

このレベルワインダーのシャフト部分に専用グリスを塗布します。

ここにグリスをたっぷりさしておくことにより、余計に付いたグリスがレベルワインダーの動作で左右へ押し付けられます。余計なグリスを拭き取ります。
こうすることで左右の軸受けが水分を受けて錆錆びるという現象をほぼを防げます。

逆にここをきちんとグリスで封印しておかないと、レベルワインダーをバラすという工程が必要になります。

オイルを注すときの注意
リールの下には、穴が開いています。

リールの中に進入した水がここから抜ける構造になっているので、油を注す穴ではありません。
この穴を利用をして、スプレー式のオイルやグリスを注油してしまう方がいますが、絶対にやめましょう。

例えば「リールの回転が悪いな」と思った時にスプレー式のオイルをここに入れてしまうと、ギアを潤滑しているグリスを溶かしてしまって余計に調子が悪くなることがあります。
メーカーさんもここは水抜き穴と称しまして、ここからグリスやオイルを入れることを推奨してません。
ご注意ください。

メンテナンスの頻度について

どれぐらいの頻度でこういう作業すればいいの?という言うことをよく聞きます。
人にもよりますが、西村の場合は釣行3~4回毎行っているようです。
例えば、1週間に朝一夕まずめで1回ずつ行ったとしたら、一週間に一度は油を注すようにしています。
要するに”油膜を切らさない”ということが重要になります。

なので釣行頻度が高い方はマメにやりましょう。
「1週間に1回釣りするよ」という方は、1カ月に1回のペースで問題ないかと思います。
多く油を注してもべたべたする上、余計な油分は汚れのもとになります。
適度な注油を心掛けましょう。
ただし、リールの洗浄は釣行の都度行い、塩分をリールに残さないようにご注意ください。